ラッコキーワードは、SEOや広告のためのキーワード調査ツールである。
正直に言うと、私はSEOにほとんど詳しくない。ラッコキーワードの画面を見ても使い方のコツがわからず、圧倒されてしまう。どういうニーズに対してどういう情報を集めればいいのかわからないし、そのためにどんな操作をすればいいのかもわからない。
ところがAIエージェントとAPIがあれば話が変わる。「こういうことを知りたい」「こういう存在感を出したい」というニーズを伝えるだけで、AIエージェントが適切な機能を選び、レポートや計画を作ってくれる。
ラッコキーワードには公式のMCPもあるが、個人的にはCLIの方が好みだ。そこでAPIをCLIで包んだ。それが rakkokeyword-cli(コマンド名は rakkokeyword)である。MITライセンスのオープンソースとして公開している。
知りたいことから使う機能を選ぶ
ラッコキーワードのAPIには、たくさんの機能がある。サジェスト、関連キーワード、質問の形のキーワード、検索ボリューム、検索順位、競合、上位ページの見出しや語彙などだ。素人には、このなかからどれを使えばいいのかがわからない。
そこでAIエージェント向けのリファレンスに、「ユーザーが知りたいこと」から使うコマンドを引ける表を入れてある。一部を抜き出すと、こんな具合だ。
| 知りたいこと | コマンド | クレジット |
|---|---|---|
| 広く関連するキーワード、実際のサジェスト | suggest-keywords | 1.5 |
| FAQやAI検索向けの質問の形 | question-search | 3 |
| 検索意図が同じキーワードの群れ | ranking-keywords | 4.5 |
| リストの正確で最新の検索ボリュームと難易度 | search-volume register --wait | 最低15 |
| あるサイトの現在の順位 | search-rank register --wait | 1キーワード0.9〜 |
| サイト(や競合)が獲得しているキーワード | influx-keywords | 4.5 |
| SEO上の競合は誰か | competitive | 4.5 |
| 上位記事に必要な見出し | headline | 3 |
| 上位記事に必要な語彙 | co-occurrence | 3 |
AIエージェントは、こちらのニーズを聞いてこの表から機能を選ぶ。使い方のコツを知らなくても、何を知りたいかさえ伝えればよい。
具体例
具体例をみてみよう。「ラッコについての記事を書きたい。どんな構成にすればいいか調べて」と頼むと、AIエージェントはおおむね次の順で調べる。
# 1. 需要をつかむ(1.5クレジット)
rakkokeyword suggest-keywords ラッコ --increase-keyword --filter searchVolume.min=100 -f json > suggest.json
# 2. 絞り込んだ候補の検索ボリュームを確かめる(最低15クレジット)
rakkokeyword search-volume register --keywords-file shortlist.txt --wait -f json > volume.json
# 3. 上位のページが何を書いているかを見る(3+3クレジット)
rakkokeyword headline ラッコ -f json > headlines.json
rakkokeyword co-occurrence ラッコ --details=false -f json > vocabulary.json
# 4. 読者が実際に抱く疑問を集める(3クレジット)
rakkokeyword question-search ラッコ -n 50 -f json > questions.json集めた結果は、AIエージェントが記事の構成案やレポートにまとめてくれる。結果はJSONやCSVでファイルに残るので、あとから見返したり、別の調査に使い回したりもしやすい。
クレジットを使いすぎない
APIの呼び出しは、1回ごとにラッコキーワードのクレジットを消費する。安いものは1.5クレジットだが、other-keywords のように1回で22.5クレジットかかるものもある。
少ない予算で使いたいので、クレジットの消費は見えるようにしてある。
- 各コマンドの
--helpに、1回あたりのコストを書いてある - 実行すると、消費したクレジットを表示する
--dry-runを付ければ、リクエストを送らずにコストだけを確かめられる
rakkokeyword other-keywords ラッコ --dry-runAI向けのリファレンスにも、最初の鉄則として、どの呼び出しもユーザーのお金を消費するので実行前にコストを伝えるよう書いてある。
あわせて、数字の読み違いも防いでいる。SEO難易度が null のときや、順位の結果が null のときは、どちらも「不明」や「範囲内に見つからなかった」という意味だ。これを0として報告しないよう、リファレンスに書いてある。
専門家に相談するほどではないとき
もちろん、専門家に相談する方が正確で、よい提案をもらえるだろう。しかし、少ない予算で素人の域を脱する程度が目的なら、これで十分だと思っている。
AIエージェントから使うには
APIキーは、ラッコキーワードのSTANDARDプラン以上で発行できる。環境変数に入れておけば使える。
export RAKKOKEYWORD_API_KEY=your-key
rakkokeyword auth statusrakkokeyword llm を実行すると、AIエージェント向けのリファレンスがまとめて出てくる。上で挙げた「知りたいこと」とコマンドの対応表や、調べ方の実例、各指標の意味が入っている。
rakkokeyword llm # Markdown
rakkokeyword llm --format json # 章ごとのJSON配列Claude Codeならプラグインとして入れられる。
/plugin marketplace add ideamans/claude-public-plugins
/plugin install rakkokeyword-cli@ideamans-plugins入れておけば、rakkokeyword が手元になくても「ラッコキーワードで調べたいのでCLIを入れて」と頼むだけで導入まで進む。この仕組みは go-llm-cli-kit の記事 に書いた。
まとめ
SEOに詳しくないと、キーワード調査ツールの画面を見ても何をどう調べればいいかわからない
ラッコキーワードのAPIをCLIで包み、ニーズを伝えればAIエージェントが機能を選んで調べるようにした
「知りたいこと」から使うコマンドを引ける表を、AI向けのリファレンスに入れてある
クレジットの消費は
--helpと実行結果と--dry-runで見えるようにしてある専門家ほどではないが、少ない予算で素人の域を脱するには十分である