サイトスピードが上がると収益が上がる。テレビの番組が面白いと視聴率が上がる。どちらも当たり前のように語られている。しかし、よく考えてみてほしい。サイトの表示が速くなったからといって、ユーザーの購買意欲が増すわけではない。テレビの面白い瞬間を視聴者が事前に知ることもできない。それなのに、なぜ「上昇方向」の因果関係が成り立つのだろうか。実はこの2つの現象は、 確率的にまったく同じ構造 を持っている。

サイトスピードが上がると収益が上がる。テレビの番組が面白いと視聴率が上がる。どちらも当たり前のように語られている。しかし、よく考えてみてほしい。サイトの表示が速くなったからといって、ユーザーの購買意欲が増すわけではない。テレビの面白い瞬間を視聴者が事前に知ることもできない。それなのに、なぜ「上昇方向」の因果関係が成り立つのだろうか。実はこの2つの現象は、 確率的にまったく同じ構造 を持っている。

実際の通販サイトにおいて一部のユーザーの体験を わざと遅くする 禁断のA/Bテストを実施した。遅い体験を強いられたユーザーの行動にどんな違いが現れたか、衝撃的な結果を報告する。
弊社ではサイトスピードと通販サイトの収益性の関係を定量的にモデル化することに多大な情熱を注いでいる。その成果を反映したアクセス解析ツールが Speed is Money だ。
このたび、関係モデルを大幅に改良した。従来のモデルでは説明しきれなかった現象がクリアに説明でき、サイトスピード改善時の収益性への影響も精度高く予測できるようになった。
結論から言えば、セッションの代表LCPとして「最小値」を採用することで、サイトスピードとCVRの関係が驚くほど明瞭になる。
LCPとINP
LCP(Largest Contentful Paint) は、ビューポート内の最大要素が表示されるまでの時間を測る指標。典型的にはファーストビューのメインビジュアル画像が対象となる。Googleが定めるCore Web Vitalsのひとつで、2.5秒以内が「良好」とされる。
INP(Interaction to Next Paint) は、ユーザーの操作(クリック、タップ、キー入力など)に対するページの応答性を測る指標。操作してから視覚的なフィードバックが得られるまでの時間を表す。同じくCore Web Vitalsのひとつで、200ms以内が「良好」とされる。
以下のグラフを見ていただきたい。これは実際の通販サイトにおける過去90日間のデータで、横軸に最小LCP、縦軸にCVR(成約率)をプロットしたものだ。

グラフを見ると、LCPの体験が良かったユーザーではCVRが2%近くに達している。しかしLCPが悪化するにつれてCVRは急激に低下し、1秒を超えるあたりからほぼ0%に近づいてその後は横ばいになる。
サイト全体のCVRは0.51%だが、これは良いLCP体験をした一部のユーザーが売上を支えており、悪いLCP体験のユーザーはほとんどコンバージョンせず売上に貢献していないという構造を反映している。
AI に退屈な作業をまかせ、自分の時間を確保する自動化は個人的に大きなテーマだ。以前、こちらの記事に多くの反響をいただいた。
あれから Claude Code や Gemini CLI などの AI コーディング CLI が続々と登場し、状況はまた大きく変わった。
前回は Mastra を用いて作業の自動化を図ったが、今回は AI コーディング CLI を活用し、もっと手軽にあなたが 「寝ている間に仕事をしてくれる小人のくつ屋さん」 を実現する方法を紹介する。
📢 モデルの改訂について
本記事で使用している予測モデルには、選択バイアスによる歪みがあることが判明した。平均LCPが良好でも離脱したユーザーを「冷やかし層」として分析対象から排除した結果、残った「気まぐれ層」において高速体験ができたユーザーのパフォーマンスを過大評価してしまっていた。
このバイアスを補正した新しい予測モデルを公開している。収益予測には以下の記事を参照されたい。
弊社ではサイトスピードと収益の関係を研究し、「サイトを高速化すると結局、いくら儲かるのか?」 の予測モデルを考案している。
今回その予測モデルを改良して、ユーザーの行動をさらに明らかにしたところ意外な教訓が明らかになった。それが、
「サイト高速化で収益を上げるなら、遅い体験を救うより、すでに早い体験をさらに爆速にせよ」
である。
以下のグラフを見ていただきたい。これは実際の通販サイトにおいてサイトスピードに行動を左右されうるユーザー群の 平均LCPと注文成約率(以下CVRとする)の関係 を示したものだ。
平均LCPが約 1.19 秒までのユーザーのCVRは 13.22% にも及ぶが、平均LCPが悪化するにつれてCVRは急速に低下し、約 3 秒を超えると 0.35% 以下に落ち込む。
もっと衝撃的なのは次の事実だ。
全注文の57%は平均LCP 1.19 秒までの高速体験ができたユーザーによって占められ、90% は 2.3秒 までの準高速体験ができたユーザーによって支えられている。
通販サイトとは、
「魅力に気づいたユーザーのうち、たまたま快適な体験ができた一部だけが注文に到達する接客システム」
なのである。
なぜこのような分析結果が得られたか順を追って解説しよう。サイトスピードと収益に関する理解の解像度が格段に高まることを約束する。
弊社アイデアマンズ株式会社のミッションについて少し言語化をしたい。
いくつかの事業を手掛けているが、共通するのは技術的な工夫で「Webにおけるムダを減らしたい」という思いである。
グリム兄弟の「小人のくつ屋さん」を聞いたことがあるだろう。寝静まった真夜中に不思議な小人たちが靴を仕上げてくれる童話だ。
最近話題のAIエージェントとPlaywright MCP(ブラウザ操作MCP)は、自然言語による指示に基づき、あたかも人間に頼んだかのように自律的にブラウザを操作してくれる。
例えば先日、AIエージェントがブラウザを操作し、ヒューリスティックなUX診断を行う例が話題になっていた。
このようなAIエージェントによるブラウザ操作とGoogleスプレッドシートと連携し、何らかのテーマで多数のサイトやページを横断的に調査するバッチ処理に仕立ててみよう。すると調査対象リストをシートに書いておけば、寝ている間にAIエージェントが働いてシートを埋めてくれる。「小人の調べ屋さん」が実現する。
そのような仕組みを Mastra を用いて実装してみた。ソースコードも公開したので、ぜひアレンジして不思議な小人を見つけてほしい。
さまざまなサイトでアクセスランキングを目にするが、実際どのくらい採用されているのだろうか? 記事コンテンツを中心としたいわゆるニュース系メディアサイト220サイトについて調査してみた。
その結果、約 74% のサイトでアクセスランキングが表示されている ことがわかった。
また、一般性の高いメディアにはアクセスランキングが多く、専門性が高いメディアには採用が少ない傾向も見られた。
ランキングコーナーの名称もさまざまだが、「アクセスランキング」という呼称が最も多かった。
弊社でGA4を利用したアクセスランキング表示サービス Rankelt4 を運営している一環としての調査だが、メディアサイト運営者の参考になれば幸いである。
AWS に代表される海外クラウドサービスの利用は、貿易という観点では輸入になる。国内における海外サービスの利用は増す一方であり、IT 分野においては輸入超過の赤字が体質化している。それが「デジタル赤字」の問題だ。
この デジタル赤字を縮小する意外な方法が Web 画像の軽量化だ。
画像軽量化というと表示高速化のイメージが強いが、ネット回線が高速になった現在では期待するほどのインパクトはなくなった。
それよりはクラウドコストの面において確実な効果があり、事業者・ユーザー・国の貿易収支にメリットのある、まさに「三方よし」の打ち手になる。
サイトスピードが遅いとサイトの収益性が悪化し、逆に早ければ儲かる。それはよく知られている。しかし なぜそうなるのか説明 するには、少し高い解像度で理解していないと難しい。
サイトスピードが早くなると収益が上がると言うが、その財源は一体どこにあるのか? 誰がどう払ってくれるものなのか。
単純化すると、サイトスピードは機会損失率と成約率のトレードオフを調整するレバー のようなものだ。
実はWebサイトは、サイトスピードに起因する機会損失を常に抱えている。サイトスピードが早くなれば機会損失率が減って成約率が増える。遅くなればその逆に作用する。
機会損失という見えないものを見るにはデータが要る。通販サイトの実例を交えて詳しく見てみよう。