詳説 LightFile Proxy (4) 次世代画像フォーマットの採用でどのくらい画像が軽くなるか

GoogleはWebPについてJPEG比25〜34%、PNG比26%小さくなると説明しているが、実際の削減率は画像によってもサイトによっても大きくぶれる。弊社が無料で公開している診断を使えば自分のサイトで測れる。あわせてECサイト284サイトの実測から、次世代フォーマットを導入していないサイトでは削減率の中央値が51.9%だったことを示す。

writer K. Miyanagadate 2026.09.28 (Mon)read 5分cat 画像軽量化, ビジネス

画像をWebPにするとどのくらい軽くなるのか。導入を決める前にいちばん知りたいのはここだと思う。

一般的な数字はGoogleが公表している。ただし実際にどれだけ減るかは、画像とサイトによって大きく異なる。この記事では公称値と実測のずれを示したうえで、実際に変換して測るための無料の診断を紹介したい。


Googleの公称値は25〜34% ​

WebPを開発したGoogleは、公式サイトでこう説明している。

WebP lossless images are 26% smaller in size compared to PNGs. WebP lossy images are 25-34% smaller than comparable JPEG images at equivalent SSIM quality index.

(可逆のWebPはPNGより26%小さい。非可逆のWebPは、SSIMで同等の画質になるJPEGより25〜34%小さい)

WebP変換の効果としてよく引用される数字だ。ここで注意したいのは条件で、同じ画質に揃えて比べたときの、画像1枚あたりの差を指している。

実際の削減率は画像によってもサイトによっても違う ​

実際の画像で測ると、この数字どおりにはならない。次の例は、診断にかけたバナー画像1枚の結果だ。

診断のレポートにある画像1枚ごとの比較画面。1200×670のバナー画像で、最適化前184kBが最適化後82.7kBになり、削減率はマイナス54.9%と表示されている

184kBが82.7kBになっていて、削減率は54.9%になる。公称値の倍近い。

理由は元の画像にある。公称値は同じ画質に揃えた比較だが、実際のサイトに置かれている画像は、必要以上に高い品質で書き出されていたり、表示サイズより大きな解像度のまま置かれていたりする。そのぶんが削減に乗る。逆に、すでに十分に軽量化された画像なら削減率は小さくなり、場合によってはWebPにすると大きくなる。

だから「WebPにすると何%軽くなる」という一般論を自社に当てはめても、判断の材料にはならない。自分のサイトの画像で測るほうが早い。

自分のサイトを測る無料の診断 ​

画像最適化 無料診断は、ページのURLを入れると、そのページが配信している画像を実際に取得して変換し、画像ごとの削減率をレポートにする。

画像最適化 無料診断のトップページ。URLの入力欄と「今すぐ無料で診断する」のボタンがあり、右側に診断レポートの画面が表示されている

やることはURLを入れるだけになる。アカウントの登録は要らず、サイト側に何かを設置する必要もない。1分ほどでレポートができる。

変換は3通りを試す。WebPへの変換、AVIFへの変換、そしてフォーマットを変えずにJPEG・PNGのまま軽くする最適化だ。

レポートの先頭には、そのページ全体の集計が出る。

診断レポートの集計画面。画像リクエスト65件、画像トラフィック11.6MB、WebPでマイナス74.8%、AVIFでマイナス82.7%と表示され、その下に画像配信効率の目盛りでオリジナル703kB/Mpx、WebP 177、AVIF 121が並んでいる

この例ではWebPで74.8%減っている。

その下の目盛りは画像配信効率で、他のサイトと比べて画像の使い方がどれだけ効率的かを表す。画像は表現したい内容によって解像度(ピクセル数)が違うが、同じ解像度と画質ならデータ量は小さいほうがよい。そこで1メガピクセル(1,000×1,000ピクセル相当)あたりのデータ量で測る。

弊社はこの値をECの284サイト・1,404ページで観測し、分布を5つに区切ってとても軽い・やや軽い・ふつう・やや重い・とても重いの基準を作った(EC画像最適化白書 画像配信効率の分布)。自分のサイトが他と比べてどのあたりにいるかが分かる。

レポートのどこを見るか ​

レポートには3通りの結果が並ぶ。このうちLightFile Proxyの効果として読めるのはWebPの欄だけになる。

LightFile Proxyが配信するのはWebPで、AVIFは出力しない。従来フォーマットのままの最適化も別の製品の領分になる。3つの数字のうち最も良いものを見てしまうと、実際より大きな期待を持つことになる。

変換の条件はほぼ揃えてある。診断のWebP変換はJPEGをquality 80の非可逆、PNGを可逆で変換していて、ここはLightFile Proxyと同じだ(GIFだけは診断が非可逆、LightFile Proxyは可逆という違いがある)。画質の扱いについては(5) WebP化によるデータ削減で見た目は劣化するかで詳しく書いている。

実際の配信は診断より控えめになる ​

診断の数字は、そのページの画像を全部WebPにしたときの削減率になる。実際の配信では次の理由で少し下がる。

  • WebPにすると大きくなる画像は、オリジナルのまま配信する。 弊社が本番の画像700枚で確かめたところ、21枚(3%)がこれに当たった
  • 10MiBを超える画像と、JPEG・PNG・GIF以外の形式は変換しない。 オリジナルをそのまま配信する
  • WebPに対応していないアクセスにはオリジナルを返す。 対応率は95%を超えているが、ゼロではない
  • 1回目のアクセスはオリジナルになる。 変換は応答の外で走る((3) 画像変換のタイミングとその最適解)

診断の数字は上限に近いものとして読んでおくのがよい。

ECの284サイトではどうだったか ​

1サイトだけ測っても、その数字の位置づけが分かりにくい。弊社は国内のECサイトを対象に、同じ診断で一斉に測った調査をEC画像最適化白書として公開している。ここから傾向を見ておきたい。

まず、これらのサイトがいま何を配信しているか。

ECの284サイトの次世代フォーマット採用率の分布を示す棒グラフ。画像リクエストに占めるWebPとAVIFの割合が0〜10%のサイトが134サイトと突出して多く、右側の高採用率の階級は少ない

画像リクエストに占めるWebP・AVIFの割合が10%に満たないサイトが134サイトあり、全体の47%を占めている。半数近くのサイトは、いまだに画像のほとんどをJPEG・PNG・GIFで配信している。

この134サイトについて、画像をWebPに変換するとどのくらいの削減が見込めるかをシミュレーションしたのが以下の結果だ。

次世代フォーマット未導入の134サイトについて、WebP変換での削減率の分布を示す棒グラフ。40〜50%の階級が31サイトで最も多く、50〜60%と60〜70%が各27サイトと続く。Googleの公称値にあたる20〜40%の階級は灰色で示され、分布の左端に位置している
  • 中央値は 51.9%
  • 4分の3のサイトが41.4%以上
  • 86%のサイトがGoogleの公称値の上限(34%)を超えている
  • 最も大きいサイトで88.8%

灰色の2本がGoogleの公称する25〜34%の範囲にあたる。その範囲に収まるサイトは少数で、実際にはもっと大きな削減が見込める。

公称値より大きくなるのは、元の画像に余裕があるからだ。診断のWebP変換はJPEGをquality 80に揃えるので、それより高い品質で書き出されていた画像は、フォーマットの差に加えて品質を揃えたぶんも減る。フォーマット変換の効果だけを取り出した数字ではないという点は、正確に読んでおきたい。

しかもquality 80は、やや品質を重視した設定になる。これよりさらに削減できる余地は残っている。

予測するより測ったほうが早い ​

統計的な傾向としては、JPEG・PNGのまま配信しているサイトなら半分前後まで減ることが多い。ただしいちばん小さいサイトで19.7%、大きいサイトで88.8%と幅が広い。自分のサイトがどのあたりに来るかは、分布を眺めていても決まらない。

診断は無料で、URLを入れて1分ほど待てば終わる。あれこれ予測するより、実際に変換して測ってしまったほうが早い。