案件によって、プロジェクト管理のBacklogに参加することがある。
Backlogも最近はMarkdownが主流になったが、ワークスペースによっては旧来のBacklog記法での入力を求められる。
AIエージェントの時代になって、文章はMarkdownで生成したり管理したりすることがほとんどになった。そうなると、Backlog記法はとても使いにくい。
そこで、AIエージェントにはMarkdownで書いてもらい、Backlogに入れるときだけ機械的にBacklog記法へ変換する、シンプルな変換ツールを作った。それが md2biki である。MITライセンスのオープンソースとして公開していて、npmから入れられる。
AIと原稿を練ってから変換する
BacklogのチケットやWikiに書き込むときは、まずAIエージェントと一緒に原稿を考える。いったんMarkdownに書き出して、推敲する。
できあがったら、Backlog記法に変換してBacklogに貼る。この変換のところでmd2bikiを使う。
特に便利なのが、クリップボードからの読み込みとクリップボードへの書き出しだ。Markdownの原稿をコピーして次のコマンドを実行すると、変換した結果がクリップボードに入る。あとはBacklogに貼るだけでよい。
md2biki =コマンドラインのツールでは、標準入出力を使うときに - を引数に渡すことが多い。md2bikiも md2biki - で標準入出力を扱う。クリップボードの場合は入力と出力の両方をクリップボードにするので、この - をアレンジして = という記号にした。
具体例
具体例をみてみよう。たとえば、次のようなMarkdownの原稿があるとする。
## 対応方針
リニューアル後の**トップページ**で、表示が遅くなっている原因を調べました。
- 画像の大きさが指定されていない
- `analytics.js` が描画を止めている
| 項目 | 改修前 | 改修後 |
|---|---|---|
| LCP | 3.4秒 | 2.1秒 |
詳しくは[計測結果](https://example.com/report)を見てください。md2bikiに通すと、次のようなBacklog記法になる。
** 対応方針
リニューアル後の''トップページ''で、表示が遅くなっている原因を調べました。
- 画像の大きさが指定されていない
- {code}analytics.js{/code} が描画を止めている
|項目|改修前|改修後|h
|LCP|3.4秒|2.1秒|
詳しくは[[計測結果>https://example.com/report]]を見てください。見出しの ## は ** に、太字は '' に、表の見出し行は末尾の h に置き換わっている。こうした書き換えを、手で覚えなくて済む。
変換の対応
主な変換は次のとおりである。
| Markdown | Backlog記法 |
|---|---|
# 見出し | * 見出し(H1〜H6) |
**太字** | ''太字'' |
*斜体* | '''斜体''' |
~~取り消し~~ | %%取り消し%% |
`コード` | {code}コード{/code} |
[リンク](url) | [[リンク>url]] |
 | #image(url) |
1. 項目 | + 項目 |
> 引用 | >引用(複数行は {quote}…{/quote}) |
| 表 | |A|B|h の形 |
入れ子のリストやコードブロック、特殊な文字のエスケープにも対応している。
使い方
npmから入れる。インストールせずに npx で動かしてもよい。
npm install -g md2bikiファイルやディレクトリを渡すほか、標準入出力やクリップボードでも使える。
# ファイルを変換する(README.md.biki ができる)
md2biki README.md
# ディレクトリ内のMarkdownをまとめて変換する
md2biki ./docs -o ./wiki
# 標準入力から読んで標準出力へ書く
cat document.md | md2biki - > output.biki
# クリップボードから読んでクリップボードへ書く
md2biki =空行を残して読みやすくしたいときは -r、進捗の表示を消したいときは -q を付ける。
まとめ
- Backlogも最近はMarkdownが主流だが、ワークスペースによっては旧来のBacklog記法での入力を求められる
- AIエージェントと書く文章はMarkdownなので、Backlogに入れるときだけ変換する
- クリップボードから読んでクリップボードに返せるので、コピーして変換して貼るだけで済む
Markdownで書いた原稿をBacklog記法へ直す手間がつらい人には、おすすめできる。